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琴平ノ陽射ト麦酒

「日本人として、商売人として、一度は。」
と思っていた讃岐の金刀比羅さんへ参る。

18きっぷでガタゴトと鈍行に揺られ、緑溢れる聖地に辿り着く。
猛暑の日照りのせいで視界が揺らぎ、
名物の石段が永遠に続くかのように見える。
木陰に逃げながら石段を登り、御本宮の前に佇んだときは汗だく。

でも、上ったかいがあった。
おみくじは「大吉」。
にこやかに下り、温泉で汗を流して金刀比羅さんにバイバイ。
阿波踊りへ向うため、吉野川に沿って走る路線に乗り込む。

鉄道の旅は、ビールと、ご当地おつまみ。
香川は魚系の肴が豊富。
そして欠かせないのが「旅にはポッキー」。
大吉を祝して、さぬきビールで乾杯。
夏の緑の中、列車に揺られて呑むビールの味。
でも、半分くらいはシチュエーションの美味しさ、かな。

鉄道の昼酌は眠気を誘う。
うどん屋2軒まわって、温泉入って、ビール呑んだら
そりゃ当然か。

晴れの讃岐の夏景色、眠気とともに夢の中。


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古碧添エ

この街に住みたいと思った理由のひとつに、骨董屋の多さがある。

「道具屋 広岡」さんは、うちから自転車で北山通りを
5分ほどすいっと行ったとこにある骨董屋さん。
古伊万里中心の品揃えが、お店の凛とした雰囲気を保ち、
だけれども静かで暖かい時間が流れる場所。

高いものは買えないけれど、安くてかわいいものを
見つけられれば嬉しい。たった2000円ほどの小さな贅沢が、
晩酌の時間を一生引き立ててくれると思えば。

最近、青い器をご注文いただく機会があった。
夏の涼を求める心の成せる念か、自分も青い釉薬を
試してみたく、頭をひねる日が過ぎる。
自分の中にはまだ見えぬ理想の碧色が、「広岡」さんで見つけた
小さな染付の中に見えるかもしれない。

そんなことを考えながら、
渋碧の蕎麦猪口にコロリと氷を浮かべて梅酒を嘗める夜。


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