牛窓の風に吹かれて

やっと新緑がひろがってきたこの頃ですが、
桜もほんのり色味を残す四月半ばに、
うきうきと岡山の「牛窓ラクフト散歩」へと参加してきました。

岡山の港町「牛窓」は、
穏やかな瀬戸内の海風が吹く心地よい街。

名産のオリーブの木を眺めながら小道を登ると、
瀬戸内の島々を眺められる丘へ。
初めての家族三人旅に、地ビールで乾杯!

エーゲ海に喩えられる海の景色が有名な牛窓ですが、
実は、古い民家の街並みがとても趣がある街。
このイベントでは、作り手たちがそんな民家の空間を
お借りして展示をするというのが面白い試みでした。

今宵堂は、元酒蔵さんの建物を使わせていただきました。
今はもうお酒造りはされておらず、静かな佇まいですが、
造りの息吹が端々に残っていたように感じる空間でした。

立派な梁にしっかりとした石造りの間。
蔵の建物は静かに酒器たちを包んでくれていました。

ご近所さんも入ってみたかったという牛窓で一番古い建物。
酒器屋として、とてもうれしい舞台でございました。

夜は、参加者のみなさんや地元の方との懇親会。
お母さんたちの地元の手料理をいただきながら地酒に酔い、
街の歴史や文化のお話を笑いながら楽しむひとときでした。
初めて訪れたのになんだか懐かしい心地になるのは、
きっとその土地の人の優しさのおかげですね。

開催日の二日間とも、まさに絶好のお散歩日和。
本当にたくさんの方が笑顔でお散歩を楽しまれていました。
とても印象に残ったことがひとつ。
お客さんが、作り手のものを楽しまれているだけでなく、
本当にいい街だねと「街を歩く」ことも楽しまれていたのです。

遠方よりご来場くださった方々に混じって、
近所のおばあちゃんたちも一緒に楽しまれているその景色。
手づくりのものが好きという方のためだけのイベントではなく、
「街」というものも含めてみんなで楽しむこの企画、
参加させていただけたこと、とてもうれしく思います!
スタッフのみなさん、本当に素敵なイベントでした!
おつかれさまでした〜。

しみじみと風土の美しさを感じた牛窓での三日間。
穏やかな気候においしい幸の数々、
しなやかな日本のもの作りは、こんな中で生れてきたのですね。
酒もまたしかり、酒器もまたしかり。
「つくる」ということがまたひとつ楽しくなりました。

子連れ酒器屋の旅は、潮風の名残とともに。

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