「貧乏徳利」でお燗を楽しむ会!

真冬の寒波もなんのその、
東京・四ツ谷の日本酒BAR「オール・ザット・ジャズ」さんの
お酒の会へと行って参りました!

今宵堂の酒器を使って、お持ち帰りいただくお酒の会。
前回はオールラウンドな使い勝手の「蕎麦猪口」でしたが、
このたびは、なんと「貧乏徳利」でお燗を楽しむ会!の巻でございます~。

お酒が量り売りだった江戸時代、
武士や裕福な商人達は、酒を大きな四斗樽で買っていました。
しかし、そんな余裕のない(貧乏な)庶民は、
容量の少ない「貸し徳利」にて酒を家まで持ち帰っていたのです。
こうして、酒を買った酒屋の名前が書かれた、
「貧乏徳利」という徳利が生まれました。
貧乏なんて呼び名が付いていますが、
どんな身分でも酒を愉しむ、
そんな文化が江戸時代に育まれていった証なのでしょうね。

今回の今宵堂製「貧乏徳利」は、本来は一升ほど入る大きな徳利を、
一合サイズにぎゅっと小さくして、
さらに、徳利に書かれているのは、酒屋の名前でなく・・・
ご参加いただいたみなさまのお名前!

ご自分のニックネームから、
来るべく晩酌の日を待ち焦がれて、幼い我が子の名前まで。
この世にただひとつの、愛着のある徳利がずらりと並びました。
制作中から、真剣になりつつも笑いが込上げてしまう、この貧乏徳利たち。
おおっと嬉しい盛り上がりに、私たちも感無量でしたー。

そして、いつもユニークな肴で楽しませてくれるジャズさん。
亀の手に、ゲンゲの煮付け、骨付きハムにも舌鼓。
燗酒もどんどんと登場して参りますっ。
宗玄、酌、玉川、愛宕の松、奥播磨、弥栄鶴、都美人、猫芸者、克正。
お外の寒気も忘れそうな、あつーい酒宴となりました!

私たちからのささやかなお礼として、
今回もご用意しました「呑みくじ」。
三名さまの当り酒器は、
ホットアイテムな「ハート射抜猪口(はーといぬきちょこ)」でした!

時代とともに酒の呑み方は変化し、
そして酒に寄り添う酒器もまた形を変えていきました。
冷酒もよし、燗酒もよし、
好みと気分に合わせて愉しめる現代は、
呑助にとって至福の時代かもしれませんね。
古めかしい肌合いの「貧乏徳利」は、その名の通り、
江戸の頃も、今宵堂製も、
決して珍重されるような代物ではないかもしれません。
しかし、燗を付けるというひと手間から生まれるお酒の良さと同じように、
お気に入りの「名」を眺めつつの晩酌が、
とても酔い心地にさせてくれることを、小さく願っています。

ジャズさん、そしてご参加くださった常連のみなさま、
お燗のように暖かい、優しい宴をありがとうございました!


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