池袋「稲水器 あまてらす」

大東京の街並みには、夜更けまで煌々と酔いの明かりが灯ります。

「池袋」もそんな夜を過ごす街。
駅から明治通りを歩いてゆくと、気になる言葉がひとつ。
「稲水器 あまてらす」。

昨秋にオープンした新しいお店の枕である、
この「稲水器(いなみずき)」という詞には、
「喰・呑・器」を愉しむという想いが込められています。

早くも沢山の酒呑みさんの間で噂になっているお店におじゃまして、
気になる冷蔵庫を眺めました。
※ 写真をクリックすると、大きい写真が表示されます。

ずらりと並ぶ日本酒の中で目立つのは、
二つ柱として据えられた三重の「而今」と山口の「東洋美人」。
一汁一菜のお通しとともに「而今・特別純米」で乾杯を。

他にも亀泉、英君、磯自慢、十四代・・・と、
店主が足を運んで見知った蔵のお酒が揃っています。
なんと、夫の故郷である福岡・糸島のお酒にも出会えました。

刺身から甘鯛の一夜干し、旬の肴に舌鼓を打ちながら、
ワカサギの南蛮漬けへと箸がのびてゆきます。
牡蠣フライに添えられたタルタルソースが、
マヨネーズと大根おろしの和えたものだったりと
脇役も印象的でした。

酒が呑めればええじゃないか、つまみは塩か沢庵か。
なんてのも粋ではありますが、
ちょっとした創意工夫が潜んだ「和食」に、
呑み喰いの愉しさを感じさせてくれるひととき。
三十路に届くかどうかの若さながらも、
こんなおもてなしを形にされた
店主・古賀さんのセンスに浸る一夜でありました。

こちらでお使いいただいている片口は、
古賀さんとご一緒に考えた、今宵堂の「白陶琵琶片口」。
「琵琶」のようにすっと絞った細身の姿は、手に馴染む一合サイズ。
柔らかい器の肌合いに、ゆらゆらと酒がたゆたう姿を
楽しんでいただければと思います。

大賑わいの花金の夜、
お客さんたちの綻ぶ酔い顔の間に、
古賀さんの凛とした姿が眩しく素敵でした。
五目釜飯でうれしく〆て、御馳走さま。

生まれたばかりのこのお店、
たくさんのお客さまに愛され、
そして育てられていくような気がしました。
その名のとおり、酒の未来を照らす場所へと。

稲水器 あまてらす
東京都豊島区東池袋2-62-10 池袋5thビル1F

電話 / 03-6912-9191

営業時間 / 18:00 ~ 24:00(月〜木)・18:00 ~ 翌3:00(金・土・祝前)

2件のコメント

  1. 池袋にそんな素敵なお店ができたとは!是非行ってみます。

    以前偶然立ち寄った「日本酒BAR 希紡庵」さんも
    今宵堂さんのお知り合いの方でしたねー。
    あそこも珍しい銘柄が多く酔いお店でした。

    ちなみに私、池袋が地元なんですー(^_^)v 池袋から早稲田の方へ
    下ったところにある雑司ヶ谷というところで生まれ育ちました。
    なので懐かしいです♪

  2. >ほぞのさん

    わぁ!池袋が地元なんて、すごい都会っ子ではないですか〜。
    この頃は東京地名も覚えてきたので、雑司ヶ谷も分かります。

    ぜひ「あまてらす」さんにもお立寄りくださいませ!
    お酒もさることながら、お料理の渋い美味しさにグッときますー。
    夢中になって、写真を撮りわすれていたのが残念っ。

    店主さんも「日本酒BAR 希紡庵」さんとお知り合いなので、
    愉しく梯子していただいても酔いかも〜です!

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