心と手間

秋晴れの休日、酒杯を届けに大阪へ。

日本酒をこよなく愛する料理人と
七色の梅酒を漬ける彼の奥様。
まさに酒の神に愛されたご夫婦と言えましょう。

「梅酒をいただきに。」
わくわくしながら訪れた私達に
心が震えるようなおもてなしをしてくださいました。

お二人がご用意してくださったお昼ごはん。
椎茸と高野豆腐、湿地と白菜の煮炊きもの。
野菜と梨のマスタード和え、お豆の煮物、ふろふき大根。
ホワイトソースのどて焼、豚の塩焼き・・・。
写真は白釉ゆがみ皿に大根を。
器は料理を盛って完成する。
「器に物足りなさを残せ。」
とは、夫の師匠の言葉。
この時、その完成の瞬間を目の当たりにすることができました。

きちんと出汁をとって、微妙な塩加減で、絶妙の風味を出す。
ひとくちいただく毎に幸せが心の中に広がりました。
「ごちそうって贅沢な食材を使うことではないと思うんです。
心と手間をかけることですよね。」
とは、料理人の言葉。
私も心にしっかり留めておきます。

様々なお酒で漬けられた梅酒も素晴らしい風味を醸し出していました。
やさしいお料理にまろやかな梅酒。
まるでお二人の関係のよう。
お二人から醸し出される隠し味に私達も夢中です。

最後の締めは、
具のないお味噌汁とお塩のおむすび。
その潔さは、彼の味に対する自信を十分に表現していました。

ごちそうさまでした。

061016

5件のコメント

  1. 先日は遠いところお越しいただき ありがとうございました。
    恥ずかしいですよ。
    もっと精進します。
    連さんRieさんの器に盛らせてもらって恥ずかしくないものを
    お出しできるように。

    本当にありがとうございました。

  2. 私が、今まで食べたものの中で
    一番おいしかったものは、といいますと…
    小学校の時、滋賀県の伊吹山に家族でいき、
    そこで泊まった、
    ヒュッテ小屋(?)のおばちゃんが、
    出て行く日に、「持ってきなさい」
    と渡してくれたおにぎりです。
    具はなにもなく、たくわんが少しついてるだけなのに、
    本当においしくて、今でも覚えてます。

    料理は愛情、ほんとにそうなんですね。

    「器に物足りなさを残せ。」
    …深い…すばらしいお言葉ですね…!!

  3. Rieさん、連さんの器にshigeの料理で完成ですね。
    喜んでいただけてよかったです。

    仕事が忙しい人や悩みを抱えてる人、いろんな人にshigeの料理を食べていただき、ほんの少しの時間でもいいので至福のひとときを送っていただきたですね。
    そのためにはRieさん連さんの器が必要なのです。
    これからも宜しくお願いします。

  4. >むーさん
    いいでしょ?本当においしかったです。
    私達はふたりとも和食の上手い母を持つのですが、かなり驚愕でした。
    プロですね・・・。
    今度はむーさんも一緒にお邪魔しましょう!
    shigeさんよろしくお願いします!

    >shigeさん
    こちらこそ、襟を正す気持ちです。
    よろしくお願いします。

    やはり、あのお料理は奥様だけが味わうのはもったいない!
    私達も、いいうつわを心を込めて作らせていただきます。
    ありがとうございました。

    >ゆずこさん
    山とおにぎり。いい組み合わせですね。
    そのロケーションやゆずこさんの家族やおばちゃんの気持ち。
    いろんなものが美味しいおにぎりを作っているんでしょうね。
    私も美味しいものは、そういうものだと思います。

    料理を盛られることを前提としたやきもの。
    それが器なんですね。器作り、おもしろいです。

    >まあちゃんさん
    本当に心からうれしい瞬間でした。
    shigeさんの料理とまあちゃんさんの梅酒の相性は抜群ですね!

    まぁちゃんさんの理解と協力と牽引力?が
    お二人の夢には絶対必要ですよね。
    shigeさんのやさしい味の秘密は
    まぁちゃんさんの存在が大きいですね〜。

    私達も至福のひとときのお役にたてるよう、頑張ります!

    <今宵堂の「白釉ゆがみ」シリーズについて>
    高台(器の裏の底の部分)や白い素地に色が着いてきた、
との声をいただきました。これはこの白釉の特徴であります。
和食器は使ううちに、こういった色と味が出てくるものですが、
気になられる方もおられると思います。
お手数ですが、水で薄めたキッチンハイターに一日漬けて
いただけますと、かなり元の白色に戻ります。
もし、気になられる点がありましたら、遠慮なくお問い合わせ下さい。

    <お知らせ>
    「上原治夫作陶展ー食器のたのしみー」
    会期:11月15日(水)〜20日(月)最終日、午後6時まで
    会場:札幌丸井今井 一条館8階 美術工芸ギャラリー

    お近くにお住まいの方、どうぞよろしくお願いいたします。

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