『一菓一盃』


あんなにも暑さに辟易しながら、
夏が過ぎゆくと寂しい心持ちになるとは、
お天道さまも苦笑いですよね。

今年の初夏から夏にかけて、
今宵堂は不思議なことに和菓子とのコラボが続きました。
初夏の風吹く頃、
千駄木「薫風」さんとのイベント『一菓一盃』。
憧れの店主・つくださちこさんと新しい試みに萌えました。

和菓子と器の取り合わせは、
盛る盛られるの妙を楽しませてくれるけれども、
私たちが試みたのは、和菓子と盃の合わせ。

小さきものと小さきものの。
「和菓子一つ・盃一つ・日本酒一杯」で作るメニュー、
盃はそのままお持ち帰りいただけるという趣向でした。
二日限りのユニットを組むような気持ちで、
こんな可笑しなお品書きを考えてみました。

「うちのオカン」
大阪名物の素敵なマダムを召し上がれ。
パーマはミントのきんとんで表現、
絵付はうちの大阪のオカンを思い浮かべながら取り組みました。
合わせるお酒はもちろんお燗です☆。

「ドラ焼キ食エスト」
伝説の5つの味のどら焼を食べながら迷路を進み、
お酒の入った「さかづき姫」のところまで行くゲーム。
どら焼きはそれぞれ柑橘系で五種の味となっています。

「乙に一杯」
触れて揉んで時にはつまんで・・・。
桃風味の黄身餡の練りきりを、
なめたりかじったりと弄ぶ大人のおやつ。
盃は、今回焼き方を変えてみて、
艶やかな肌合いにもこだわりました。

「瓢箪からコマ」
瓢箪の盃で呑む「独楽蔵」・・・という駄洒落のみならず、
山椒黄身餡の瓢箪餅を食べていると・・・、
実は中から「駒」の箸置が出てくるという仕掛けです。

「レモンスカッ酒」
レモン風味の寒天ぜんざいはそのまま食べても美味しいのですが、
お酒を注ぐとまた面白い味わい。
甘酸っぱい夏の思い出とともに。

などなど・・・、
ふざけたネタたちを興味津々に迎え入れて、
和菓子へと具現化してくださったさちこさん。
そのキャラクターも含めて、
「薫風」という和菓子屋さんの魅力なんですね。

二日間で十種のお品書きでしたが、
開店直後からたくさんの呑助さんにお越しいただき、
早々に完売御礼と相成りました。
本当にありがとうございました!
そして、お菓子が間に合わなかったみなさま、
申し訳ありませんでした!
こちらのfacebookページのアルバムからイベントの様子をご覧いただけます。

やはり今年は、いろんな人と
お酒と甘いもんは合うのだろうか?という話をします。
そんな話を散々した結果・・・私たちの正直な感想として、
単においしいものとおいしいものは合う、のでありました。
口の中に幸せを含んで、甘〜く過ごしてゆこうと思います。

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